不易流行

人と場所の〈アップデート〉を考える

力強い自然が豊かなことから「東洋のガラパゴス」と言われる奄美大島。
しかし、豊かなのは自然だけではありません。
唄や踊り、「鶏飯」などの郷土料理、奄美群島でしか製造を許可されていない「黒糖焼酎」、さらに奄美大島で最も代表的な産業「大島紬」、そしてそこで暮らす人々の島民性。
これらは太古から島民が何世代も受け継ぎながら、変化・発展させてきた奄美大島独自の文化です。
そして、2021年新型コロナウィルスが猛威を振るう中、奄美大島は世界自然遺産に登録されました。
そんな中で今まで手付かずの部分が多かった奄美大島も、今、多くの人やモノが出入りする次の段階に差し掛かっています。
それにより、何世代もが紡いできた「遺したい大切なもの」までもが、変わってしまう可能性があります。
人の流れも、周囲を取り巻く環境も変わっていく中で、ただ「昔と同じであろう」と「変わらないフリ」をし続けても、どこかで無理やりの変化を強いられてしまいます。
時代や価値観さえも激しく変わりゆく中で、本当の意味で変わらない為には、自ら変わり続けなければならない。

「大島紬」が縦糸と横糸から織り成されるように、文化も人と風土が織り成すものです。
また、その地域の良さは、その地域の外の価値観に触れて、初めて意識されるものだと考えています。
島外からの人の流入を「文化の弱体化」ではなく、「文化継承の為に必要な人・モノと出会える」機会と捉え、 人との出会いを広げることで、外からくる新たな色の糸を取り入れながら紡いでいく。
変化を恐れたり、ただ傍観するのではなく、土地と人、文化の価値観やアイデンティティの更新を考え、実行するきっかけになるプラットフォームを目指します。